2024年8月クチトンネルツアーに参加!【日本語ガイド付き】

ホーチミン旅行を考えているみなさん、「クチトンネル」をご存知ですか。

ベトナム戦争中、ベトナムは北と南に分かれて戦っていました。クチトンネルは、北ベトナムを支持する人々が、ホーチミン市の北西部に位置するクチに、アメリカ軍や南ベトナム軍と戦うために作ったトンネルです。

今回、私は日本語ガイド付のクチトンネルツアーに参加してきました。この記事では、その様子を詳しくご紹介します。

クチトンネルとは

現在のクチトンネル(観光用)

今でこそ経済発展著しいベトナムですが、1975年までベトナムでは戦争が行われていました。「ベトナム戦争」です。ベトナム戦争は、初めてテレビでお茶の間に届けられた戦争と言われており、50代後半以上の方は当時の記憶がかなり残っているのではないでしょうか。

ベトナムは、もともとフランスに支配されていましたが、独立を目指して戦い、1945年に独立を宣言しました。しかし、ホーチミン率いる「ベトナム民主共和国」(北ベトナム)と、アメリカに支援される「ベトナム共和国」(南ベトナム)に分裂してしまいました。

北ベトナムは共産主義を目指し、南ベトナムは民主主義を支持しており、分裂後は激しい戦争が続きました。

ベトナム南部に住む人たちの中にも、北ベトナムを支持する人たちが多くいました。彼らは「南ベトナム民族解放戦線」を結成、いわゆる「ベトコン」です。

ベトコンの名称は、ベトナム語の「Việt Nam Cộng sản (ベトナム コンサン・ 越南共産)」の略で、南ベトナムの大統領ゴ・ディン・ジエムが差別的な意味で名付けたと言われています。

現在のクチトンネル(観光用)

クチトンネルは、「南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)」が、アメリカ軍や南ベトナム軍と戦うために作ったトンネルです。トンネルは全長250kmと言われ、その中には、住居、病院、作戦指令所なども設けられていました。

現在は、2か所の観光施設があり、それぞれトンネルの一部を見学することができるようになっています。

クチトンネルへの行き方

 ベンユック Googleマップ

現在、見学できるトンネルは、サイゴン川近くにあるベンユック(Bến Dược)と、そこから約15km東にあるベンディン(Bến Đình)の2か所です。

クチトンネルへは、路線バスを乗り継いで自力で行くことも、ホーチミン発のツアーを利用して行くこともできます。

個人での行き方

個人で行く場合、ベンユックへ行くのが一般的です。

9月23日公園のバスターミナルから出ている13番のバス(20,000VND)に乗る

②終点のクチのバスターミナルで79番のバス(7,000VND)に乗り換える

③最寄りのバス停(Ngã 3 Tỉnh Lộ 6 – 1920 (1928) – Tỉnh Lộ 15 – Xã Phú Mỹ Hưng)で降り、バス停から、バスが来た方向へ少し戻る

④T字路になっているので、ゲートが見える道を進む

⑤しばらく歩くとチケットブースがあるのでチケットを購入(125,000VND)

ツアーの申し込み方法と値段

一方、ツアーで行く場合、たいていはベンディンへ行きます。

ツアーの申し込み方法は、英語ガイドのツアーだったら、現地の旅行会社やホテルで予約ができます。値段は2500円前後です。

日本語ツアーの場合は、日本で事前予約をしておくのがよいでしょう。私はTNKトラベルの日本語ツアーに参加しました。一人42ドルで、約6000円のツアーでした。

また、最近はkkdayなどの旅行サイトを使うと、英語ツアーも日本語で予約できます。

クチトンネルツアー体験記

さて、ここからは、実際のクチトンネルツアーの様子を体験記として紹介していきます。クチトンネルツアーに参加しようかどうしようか、悩んでいる人はぜひ読んでみてください。

朝食を買ってきた

ツアーの集合時刻は7時20分にオフィス前。

ちょっと、その前にバインミーとアボカドスムージーを買ってきました。

やっぱり、ベトナムと言ったらバインミーですよね。

オフィス前に集合

私はツアー会社の近くのホテルだったので、オフィス集合になりました。

オフィスから少し離れていて、1区内の主要な通りにあるホテルだったら、ホテルにピックアップになります。

ガイドさんが来るまで、オフィスの中でバインミーを食べさせてもらうことにしましたよ。

ホーチミンのバインミーはめっちゃ美味しい!

当サイト「イージーステイハノイ」は、もちろんハノイ押しのサイトではあるわけですが、バインミーのレベルに関しては完敗だと私は思います。

7時20分、出発!

7時20分、時間通りガイドさんがやってきて出発です。オフィス前から乗ったのは2人だけで、他の参加者さんのピックアップへと向かいます。

今回は、全員で6名の参加者でした。

参加者全員のピックアップが終わると、ガイドさんの自己紹介とクチトンネルの説明です。

ガイドのニャーさんは、スマホの画面を見せながら、ベトナムの歴史を簡単に説明してくれました。

スマホに映っているのは、南北に分かれていた頃の地図です。

休憩所に到着

1時間ほど走ったところで、休憩所に到着。

ここでは、障害のある人たちが、貝殻、漆などを使った工芸品を作っています。ベトナム戦争で使われた枯葉剤の影響はまだ続いています。

ガイドのニャーさんのお友だちにも、自身もそのお子さんも、枯葉剤の影響で視力が弱い方がいるそうです。

私は、飛行機の荷物が7kgだったので、買わなかったのですが、完成した工芸品を購入することもできますよ。

もちろん、トイレや飲み物購入も。

クチトンネルに到着

9時40分頃、クチトンネルに到着です。

緑のユニフォームを着ている若者は、大学生です。ベトナムの大学生は、皆、国防について、1か月ほど、学びます。これは徴兵とは別で、女の子も学びますよ。

ガイドのニャーさんがチケットを買いに行っている間に、パンフレットをゲット。

日本語版もありました。

それから、銃や爆弾の展示をちょっと見学。

トンネルエリアへGO!

さぁ、いよいよトンネルエリアに入ります。

こちらがチケットです。9万ドンと書いてありますが、実は2枚になっていて、もう1枚には3万5千ドンと書かれています。

3万5千ドンが入場料で、9万ドンがガイド料とのこと。

まぁ、内訳はともかく、チケット代は12万5千ドン(約750円)ですね。これは、ツアー代に含まれています。

入場するときに、腕のところにシールをはってもらいました。これ、旅の思い出になるかもね。

私は無駄に『地球の歩き方』に貼ってしまったけれど、旅の思い出ノートとかに貼れそう。

まずはお勉強

中に入ると、まずは講義室みたいなところへ案内されました。

模型図を使って、クチトンネル内部の様子を、ガイドのニャーさんが解説してくれます。

トンネルは3層構造になっていて、いくつもの部屋があります。

クチトンネル内には、炊事場もあるのですが、炊事場からの煙が敵に見つからないように、その煙をちょっとずつ、違う部屋に移動させ、全然違うところから、ちょろちょろ煙が出てくる仕組みになっているんだとか。

頭いい!

「クチトンネルって、防空壕みたいなもんでしょ?」と思っていると、全然違うものだと実感させられますよ。

クチトンネルについてのビデオも見ます。今回は日本語ツアーなので、日本語の動画です。女の子が銃を持って、勇敢に戦っていた様子や、戦時中でも笑顔を絶やさず生きていたクチの人々の様子などが紹介されます。

穴に入ってベトコン体験

ビデオを見終え、外に出ると、ところどころに人だかりが。

何をしているかというと…。

穴に入る体験をし、クチトンネルツアーでおなじみの写真を撮ります。

ここは、写真スポットという感じなので、トンネルの中を歩くわけではありませんが、トンネルの小ささを実感。

グループの人数が少なめの日本語ツアーということもあり、全員1回ずつ穴の中に入って写真を撮りましたが、体の大きな欧米人は人によっては入るのが難しそうです。

穴は意外と深く、出てくるのが大変です。体験してみたい女性は服装に注意が必要です。

こちらは、写真用ではなく、のぞいて実際の穴の大きさを見ることができる場所です。中に入って、穴をのぞくことができました。

トンネル以外の展示品

クチトンネルの見どころはトンネルだけではありません。戦車や罠の展示があります。

こちらはアメリカ軍が残していった、本物の戦車。

そして、ベトコンたちが作った罠を再現したもの。穴に落ちたら、ブスブスッと突き刺される…。

穴に落ちても、すぐに死ぬわけではなさそうな罠なので、アメリカ兵の痛みを思わず想像してしまいます。

こちらの罠は一般の民家のドアに設置され、アメリカ兵が中へ入ってきた瞬間に、グサッとなるやつ。

当たり前のことですが、ベトナム戦争って、第二次世界大戦後のことなんですよね?日本人がお茶の間でドリフとか見ていた時代なんですよね?

罠の種類が、江戸時代とか、戦国時代とか、そういった時代にもありそうなものばかりです。しかし、それらを駆使して、結局アメリカに勝利してしまうベトナム、すごすぎます。

クチトンネルの敷地内には、当時の様子を再現した人形もたくさん展示されているのですが、こちらはアメリカ軍が落とした爆弾、おそらく不発弾を再利用して、新たな武器を作っている人たち。

下手すれば、作業中に大事故が起こりそう。

戦争というと、市民は何の抵抗もできず、逃げ惑うイメージがありますが、クチトンネルへ来ると、戦争の違う一面を垣間見ることができます。

射撃体験

これを楽しみにクチトンネルツアーに参加される方もいると思うのですが、クチトンネルでは、射撃体験ができます。

なんと、本物の銃を撃つことができるのです。

ただ、こちらはツアー代とは別料金。1発6万ドン(約360円)で、10発からチャレンジできます。10発買って、友だちと5発ずつ…ということはできないので、結局、料金は一人60万ドン(約3600円)です。

なかなかの高額ですが、マシンガンも撃てるし、AK-47も撃てます。

私は銃の種類はよくわからないのですが…。

本物の銃を前にして、明らかに尻込みする私。

以前、クチトンネルに来たときにもやったことがあるので、これでも2回目なんですけどね。

「あれ、銃ってどうやって構えるんだっけ?」と思っている様です。

もちろん、弾はスタッフさんが準備してくれるので、私は引き金を引くだけ。

バンッ!

肩にグッと押し当てて打つとよいみたいです。押し当てが足りないと、スタッフさんが肩に手を当ててサポートしてくれます。

この射撃体験、やってみる勇気があるなら一度体験してもらいたいな、と私は思います。

「これに当たったら、死ぬわ」っていうのが、撃った瞬間の私の感想。実際、死ぬかどうかは別として、体に伝わる衝撃がすごいんだもの。

たった1回の射撃体験で戦争の悲惨さなんてわかるわけがないんだけれども、歴史の授業や戦争の映画を見るときとは違う感じ方で、戦争の重みを感じられる気がします。

今回のグループの人たちは、6人中5人が体験していましたよ。

クチトンネル探検へ

射撃体験を終えたら、トンネル内へ…と思いきや、また、少し他のものを見学。まずはライスペーパー作りの様子。お人形さんではなく、実際に作っているところを見学できます。

サンダル作りの様子。

このサンダルはタイヤから作られます。

ちなみに、今はおしゃれサンダルとしてタイヤサンダルのブランドもあります。

ハノイのホーチミン博物館で購入可能です。あ、アマゾンでも販売されているので、日本からでも買えます。

そして、いよいよトンネル内部へ。

トンネルは、少し進んで外へ出ることもできるし、100メートルほど内部を歩くこともできます。

トンネルの中に入る前に、ガイドさんが、100メートル歩けるかと確認してくれたのですが、今回のツアーグループは積極的な方が多いようで、全員で、最長の100メートルコースに挑むことに。

中に入ると・・・

あ。写真を撮ったつもりが、真っ暗でした。

中は非常に狭くなっていて、場所によってはハイハイをするような姿勢にならないと進めません。大きめのリュックサックを持って入ると、ちょっと大変です。

しかし、これはあくまで観光用に整備されたトンネル。当時のトンネルはもっと狭いところもあり、歩きにくかったのではないかと、想像します。

キャッサバを食べる

最後にキャッサバ芋をふかしたものをピーナツ塩をつけていただきます。キャッサバはタピオカの原料ですよ。ほんのり甘くて、私はけっこう好きです。

戦争時の食料と言えば、芋ですよね。

これは日本と似ていますね。私はサツマイモが大好きなのですが、亡くなった祖母が、「サツマイモは飽きたから、要らない」と言っていたのを思い出します。

ホーチミンへ帰る

芋を食べたら、出口へ向かいます。

そして、バスに乗り込みホーチミンへ。

このツアーは半日ツアーで昼食がついていないので、ホーチミンに戻ってツアー終了です。

ホテルでピックアップされた人はホテルで、オフィスに集合だった人はオフィスで解散です。もちろん、帰りは〇〇へ寄って行きたいから、と違う場所で降りるのもOKです。今回の到着時刻は、2時頃でした。

午後に十分市内観光ができますね。

ツアー参加時の注意点

①無理して100mのトンネルに挑戦しない

トンネルは、最後まで歩く必要はなく、途中に出口があります。体力や足腰に自信がない人は、100mのトンネルに挑戦する必要はないですよ。ガイドに相談して、距離を決めるのが良いと思います。

②服装は動きやすく、汚れてもよいもの

動きやすく、汚れてもよい服で行くことをおすすめします。スカートでは行かない方がいいですよ。

また、大きすぎるリュックは、トンネルを歩くときに邪魔になってしまいます。荷物は少な目で。

③射撃体験をしたい人はお金を用意

射撃体験は有料です。60万VND(2024年8月現在)を用意していきましょう。けっこう高いですよね。クレジットカードでも支払い可能です。

クチトンネルツアー感想とまとめ

クチトンネルは、実際に穴の中に入ったり、有料ですが銃を撃ったり、体験しながらベトナム戦争について学べる施設です。ホーチミン旅行中、戦争証跡博物館へ行く人は多いと思いますが、博物館の展示から感じることとは、また違ったことを感じられると思います。

また、クチトンネルへは、個人で行くこともできますが、しっかり背景となる話を聞きたいのであれば、ホーチミン発のツアーで行くことをおすすめします。

行こうかどうしようか悩んでいる人がいたら、ぜひ、おすすめしたいと思います。

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