ベトナムの世界遺産の一つである「チャンアン複合景観」に、ハノイ発の日帰りツアーで行ってきました。ハノイからのオプショナルツアーというと「ハロン湾」がもっとも有名ですが、アクティビティが盛りだくさんの「チャンアンツアー」もかなりおすすめです。
この記事では、チャンアンツアーの概要と、実際に参加したときの様子を詳しくご紹介していきます。
チャンアンツアーの概要
チャンアン・タムコック・ニンビンって何?
チャンアンツアーについて調べていると、「タムコック」や「ニンビン」という地名も出てくると思います。いくつもの地名が出てきて、「いったい何?」って少し混乱しますよね。
3つの関係を整理すると…
まず、「ニンビン」省の中に、「チャンアン複合景観」と呼ばれる世界遺産のエリアがあります。そして、その「チャンアン複合景観」の中に、「チャンアン」と「タムコック」という2つの景勝地があり、どちらでも絶景を見ながらの川下りを体験できます。
「チャンアン」という言葉には、「チャンアン複合景観」というエリア全体をさす意味と、「チャンアン川下り」という特定の場所の意味があるので、ちょっと理解しにくいのですよね。
今回はタムコック川下りではなく、チャンアン川下りのツアーを体験してきました。
※2023年8月現在、タムコック川下りは営業を一時的に中止しています。
チャンアンツアーの料金
まずは気になる料金ですが、私が参加したツアーは110万VND(約46ドル)です。日本円にすると、2023年現在のレートで6700円くらい。
「え、50ドルもしないの?」と思ったみなさん、実はこのツアー、「英語ガイド」のツアーなのです。
ちなみに「日本語ガイド」でも、145万VND(62ドル)というツアーがありますよ。
ツアー代金:145万VND(約46ドル・約6700円)/1人 |
たっぷり1日遊べる日帰りツアー
ツアーの所要時間は、約12時間。7時30分頃にピックアップがあり、19時30分頃にホテルに戻ってきました。
朝から夜まで、たっぷり1日遊べるツアーです。
ツアー所要時間:12時間(7時30分~19時30分 頃) |
ツアーの主な内容
このツアーのアクティビティは4つです。
①サイクリング
②古都ホアルーの見学
③チャンアン川下り
④ムア洞窟からの絶景
詳しくは体験記で紹介しますが、盛りだくさんの内容です。そうそう、サイクリングをしない場合、車での移動も可能なのでご安心くださいね。
チャンアンツアー2023体験記~格安英語ツアー!~
出発前に朝食をゲット(7時)
出発が早いので、私はピックアップ前にバインミー(ベトナム風サンドイッチ)を購入しておきました。
途中、休憩所があってそこでも朝食を買うことができますが、せっかくなのでローカルのバインミーを車の中で食べることに。
ちょっぴり豪華なバスでピックアップ(7時20分)
7時20分、ガイドのお兄さんがホテルのロビーに迎えに来ました。私たちのホテルは、7時15分から30分の間にピックアップということだったので、ばっちり定刻通り。
ベトナムは日本より時間にルーズなので、多少遅れることもあると思われますが、本日の滑り出しは順調です。
案内されたのは、ツアー会社名(cozy vietnam)が書かれた茶色いバス。なんだか、ちょっぴり豪華そう??中に入ってみると…
車内も、けっこう立派でした。4列ではなく、3列シートなので一人分のスペースがかなりゆったりです。椅子もふかふかでお尻にも優しい(笑)
座席に1本、お水もセットされていましたよ。帰りのバスでも追加のお水がもらえます。
USBはあるけれど、スマホの充電ができませんでした。繋がったらラッキーくらいなつもりがいいですね。スマホのモバイルバッテリーはお忘れなく。
さて、私たちがピックアップされたのは7時20分頃だったのですが、20人ほどのツアー客のピックアップがあるので、乗車後約1時間ほど旧市街の中をグルグルまわっていました。
長い…まぁ、ツアーなのでしょうがないですよね。
英語ガイドのチュンさんのお話(8時15分)
7時20分にガイドさんがホテルに来て、約1時間後、バスはハノイを離れニンビン省(チャンアン)へと出発しました。
すると、ガイドさんがバスの先頭に立ち、「レディース&ジェントルマン!」とご挨拶。笑顔が素敵なガイドさん、名前はチュンさんと言うそうです。
今回のツアー、ほとんどは欧米人の参加者ですが、ベトナム人参加者もいるのでチュンさんは2か国語でガイドをするとのこと。
ガイドさんの話の内容は、自己紹介、スケジュール、確認事項、そしてベトナムに関する雑談でした。
スケジュールについては下のリンクを見てください。
全て、英語での説明なので重要なところを紹介しておきますね。
①自転車に乗らない人は事前申告(車で移動するため)
②アレルギー等について
※ビュッフェなどで問題ないと思いますが、何かあれば事前申告
③ツアー当日の夜のフライトを予定している人は事前申告
確認事項に関して、当日、英語で答えるのはドキドキしてしまいますよね。イージーステイからツアーを予約した場合、「自転車には乗らない」など伝えることがある場合、あらかじめツアー会社に事前に伝えておきます。
休憩タイムあり(9時45分)
チャンアンまでの道のりは約100キロ。途中、30分ほどの休憩がありました。トイレ休憩をするだけでなく、カフェテリアのような場所で飲み物やフォー、バインミーを購入可能ですよ。
刺繍絵など、ベトナム土産も色々売っています。まぁ、割高ですが…。
そして、ここでは一つ気をつけなければならないことが…
入口と出口が異なりますよ。
建物の中に入ったら、お土産コーナー、カフェコーナーを通り抜け、入口の反対側にある出口に集合です。
建物の出口付近には、色々なツアー会社のバスが待機していますよ。出口あたりにいると、ガイドさんが出発時に声をかけてくれます。
旅の始まりはサイクリングから(10時30分)
ニンビンに到着して、まず最初に行くのはレストランです。
レストランと言っても、昼食を食べるわけではありません。レストランが自転車を貸し出しているので、サイクリングで使用する自転車を選びます。
椅子が高いものが多いので、女性は低めの自転車を早めにゲット!それと、ブレーキのチェックも忘れずに。
自転車を選んだら、ガイドさんの後について、古都ホアルーへと向かいます。古都ホアルーまでの道は、車も通る太い道。
安全には気をつけてくださいね。
古都ホアルー見学(10時50分)
少し自転車を走らせると、古都ホアルーに到着です。
チケットがいるので、入る前にガイドさんからチケットが配られましたが、入場後、すぐに回収されました。
廟の見学中、膝上のパンツやスカートの女性は、茶色の腰巻を巻きます。たまたまかもしれませんがちょっと臭かったので、それが嫌だなというのはひざ下のパンツやスカートで行った方がいいかも。
ホアルーの街自体が残ってるわけではなく、ベトナム初の独立王朝の王様「ディン・ティエン・ホアン」の廟を見学します。ガイドさんの説明はもちろん英語。
歴史用語などが出てくるので、正直、私にとっては理解が難しいです。英語が苦手な人は、事前にホアルーの歴史を、「地球の歩き方」やネットで軽く勉強しておくのがおすすめですよ。
建物の雰囲気は、中国風な感じですよね。
同じ敷地内に2代目の王様「レ・ダイ・ハン」の廟もあるのですが、今回のツアーで見学するのは初代の王様の廟のみです。
サイクリングで自然を楽しむ(11時30分)
ホアルーの見学を終えたら、再び自転車に乗り、サイクリング再開です。景色のいい、田舎道をたくさん通ります。
8月だったので、もう終わりかけでしたが、蓮の花も見ることができましたよ。
以前から、タムコックの川下りツアーにはサイクリングをつけることができたのですが、チャンアンの川下りツアーにはサイクリングをつけることができませんでした。
チャンアン川下りと、サイクリングが両方楽しめる!というのはこのツアーのポイントの一つですね。
あ、サイクリングをしている途中、写真を勝手に撮ってきて、その写真をプリントしたものを売りに来るおばちゃんたちがいます。欲しければ購入すればいいのですが、無理に購入する必要はありません。
昼食はビュッフェ形式!ニンビン名物もあり(12時10分)
自転車を返却したら、昼食です。
昼食はビュッフェ形式なので、好きな物を好きなだけ。
手前のお肉は、ヤギ肉です。ヤギのお肉はニンビンの名物です。個人的には野菜の春巻きが美味しかったな~。
そして、ヤギ肉のあんかけおこげも、ぜひ食べていただきたいものの一つ。これまた、ニンビンの名物料理なので必ず食べたいものですね。あんかけスープがおこげにしみ込んで美味しいですよ。
飲み物代はツアーに含まれてないので、自分で買います。
おまけの話ですが、レストランの外に、蓮の実を売っているおばあちゃんたちがいました。蓮の実をぽりぽり食べるのが結構好きなので、購入。
黒っぽくなっている蓮の実が一袋1万VND、緑の新しそうな蓮の実が一袋2万VNDでした。
断然、緑が美味しい(笑)
なかなか、蓮の実を買って食べようという人はいないと思いますが、緑の蓮の実を選んでくださいね。
チャンアン川下りで絶景を楽しむ(13時)
昼食を食べたら、いよいよ本日のメインイベント、チャンアン川下りです。レストランから、車に乗って、ボート乗り場に移動します。
ボート乗り場ですが、駐車場から道をはさんで反対側にあります。その道を渡る際、とってもきれいな地下道を通って移動します。上の写真が、地下道です。
行きは、ガイドさんについていけば大丈夫なのですが、帰りは自分で駐車場に戻ってこなければいけないので、地下道を通ったことを覚えておいてくださいね。
ボート乗り場に到着です。
船に乗るのにもチケットがいるのですが、入場したらガイドさんがすぐに回収しにきますよ。
船は3~5人乗りなので、1人参加や2人参加の場合、相席になりますよ。
船が出発すると、いきなり「おぉぉ!」と思わず声が出てしまうような風景。
この日は、曇りと雨のお天気だったのですが、それでも景色は美しいですよね。晴れてなくても、十分に絶景を楽しむことができました。
漕ぎ手のクエさん。毎日1回、船を漕いでいるそうです。
ドキドキハラハラの洞窟くぐりも、もちろんありますよ。遊園地のアトラクションとは一味も二味も違う、本物の洞窟!
漕ぐのを体験することもできます。
途中、雨が降ってきてしまいました。船に傘があるので、傘をさしての川下りです。
川下りの時間は、ツアー用に早めにまわって約2時間です。(個人で行く場合は、お寺のある島に上陸などすると、3時間くらいかかりますよ)
下船するときに、少額のチップを船頭さんにあげてもいいですね。私たちは2人合わせて5万VNDあげました。
船を降りたら、きれいな地下道を通て戻り、最初にバスが到着したところで、バスを待ちます。どこの場所でもバスを降りたところで、バスを待つのが基本ですね。
500段の階段を上るムア洞窟!(15時40分)
チャンアン川下りで既にかなり絶景を堪能した気分なのですが、このツアー、あともう一つのアクティビティが残っています。
チャンアンから次の目的地、「ムア洞窟」へ移動してきました。
中へ入ったら、1時間の自由行動です。
ここのメインは洞窟…ではなく、500段の階段の上からの絶景です。敷地の1番奥に階段があるので、その階段をどんどん上っていきましょう。
途中、右と左にわかれるところがあるのですが、右は街並みが見渡し、左はタムコックを見下ろします。
最初に左に行き、時間に余裕があったら右に行くのがおすすめ。私たちは、左のみ行きました。
さぁ、ムア洞窟の景色はいかに・・・
目の前にタムコックの川が広がります。ハノイから2時間でこんな景色が見られるのがすごい!
向こうに見える階段が、私たちが行かなかった右側のルートです。
チャンアン川下りとは、また異なる美しさがありますよね。500段の階段を上る価値、絶対にあると思いますよ。
ムア洞窟の下には、蓮の花畑もありました。8月なので、咲いている花は少なかったのですが、7月あたりに来たら、ものすごくきれいだったのではないでしょうか。ハノイのタイ湖でも蓮の花を見ることができますが、規模が全然違いましたよ。
バスに乗ってハノイへ(17時15分→19時30分着)
サイクリング、古都ホアルー、チャンアン川下り、そしてムア洞窟。すべてのスケジュールを終え、バスでハノイに戻ります。
行きは30分の休憩がありましたが、帰りは短いトイレ休憩のみです。トイレに行かない場合は車内で待っていてOK。2時間ちょっとでついてしまうので、ほとんどの人が車内で待っていましたよ。
そして、みなさん2時間バスの中で熟睡…。
19時30分頃、ハノイ旧市街に到着しました。行きはホテルのフロントまで迎えに来てくれましたが、帰りは参加者それぞれのホテルのある通りや、その付近の通りでバスを降りました。
チャンアンツアーまとめ!ハロン湾よりおすすめなのか?
今回参加したチャンアンツアーはかなりおすすめです!
以前から、ホアルー、チャンアン、ムア洞窟…というツアーがあったのですが、そこにサイクリングが加わり、内容の充実度合いがかなりアップしています。
ハロン湾ツアーと比較すると、景色自体は甲乙つけがたいですね。どちらもベトナムを代表する世界遺産なので、2か所とも見てほしい景色です。ただ、ツアーの内容となると、チャンアンツアーの方が若干、充実度がうわまっているように感じてしまいます。(個人の主観です)
ツアーを通して、「体験」を大切にしたい人にチャンアンがハロン湾よりおすすめだと、個人的には思います。
とはいえ、ハロン湾ツアーもカヤックをしたり、ハイキングをしたりと体験的要素が含まれていますからね。ハノイ旅行の王道を選びたい人は、やはりハロン湾ツアーもいいですよ!